日時:2003年4月26日(土) 午後1:00〜5:30
場所:お茶の水女子大学 人間文化研究科棟6階大会議室
司会:内田伸子(お茶の水女子大学 教授)
●講演1 午後1:00‐2:30
仲 真紀子(東京都立大学人文学部 助教授)
「 子どもの証言と面接法」
講演者より:子どもが事件の目撃者や被害者として事情聴取を受けたり,法廷 証言することが増えています。現在でも引用されることの多い1895年の合衆国
最高裁判決 (Wheeler v. U.S., 159 U.S. 523)によれば,5歳児であって も,嘘と真実の区別がつき,宣誓証言の意味が分かり,適切なコミュニケーシ
ョンができるならば,法廷で証言することは 差し支えないとされています。 しかし,子どもは圧力や誘導の影響を受けやすいこと,事実とファンタジーを
混同してしまう場合があることも知られていま す。また,大人が子どもの話 にうまく耳を傾けることができないことも指摘されています。ここでは現実の
証言や事情聴取の事例を挙げながら,子どもの証言 の問題点や信頼性,そし て近年開発されつつある子どもや弱者のための面接法について,これまで行っ
てきた研究を中心にお話しします。貯蔵庫としての記憶 よりも,コミュニケ ーションの一様相としての記憶を強調したいと思います。
●講演2 午後3:00‐4:30
梅田 聡 (慶應義塾大学文学部心理学研究室 助手)
「 前頭葉と記憶 --- 損傷研究と画像研究から何がわかったか ---」
講演者より:記憶の神経メカニズムや前頭葉の機能に関する研究は,近年,盛んに行われており,数多くの事実が明らかにされています.本セミナーでは,前頭葉における記憶の処理機能に焦点を当て,前頭葉損傷患者を対象とした神経心理学研究と,fMRIやPETなどの脳機能画像技術を用いた研究ついて紹介します.本セミナーを通して,前頭葉という視点から,記憶・感情・人格を同時に考慮することの重要性について考えます.また,自閉症を対象とした発達認知神経心理学のアプローチによる研についても紹介する予定です.
●全体討論 午後4:30‐5:30
主催 : お茶の水女子大学 21世紀COEプログラム「誕生から死までの人間 発達科学」
共催 : 玉川大学 21世紀COEプログラム「全人的人間科学プログラム」
問い合せ先:project1-coe@li.ocha.ac.jp
*参加申し込みは不要です. |