秋季全国大会を開催するにあたって


 本年度のJASAG秋季全国大会の開催をお引き受けさせていただいた。例年は2日間で開催しているが、今回は11月29日(土曜日)の一日のみである。これは、8月のISAGA2003という大物のため、秋季全国大会のほうも重いと消化不良を起こして具合が悪いという考えからである。
 本大会では「シミュレーション&ゲーミングにおける連携と拡大」をテーマとした。近年の学問や研究では、しばしば「連携」が重要と言われる。例えば国と国との連携、あるいは、学問の領域と領域の連携。国際性や、学際性ないし学融性という言葉は、現在の学界において高い価値が置かれており、これは、シミュレーション&ゲーミング学でも同様であろう。一方、シミュレーション&ゲーミングを取り巻く環境は「拡大」している。例えば、最近、ゲーミングを研究対象に含む学会が次々に設立されている。また、ISAGA2003では、世界の幅広い地域から研究者や関係者が招かれた。
 このように研究者や関係者などが多様に拡大していく中で、それらの方々といかに連携をとり、互いに刺激を受けながら、全体がさらに拡大し発展していくかは、今後に求められるところであろう。ISAGA2003は、とくに国際性における連携と拡大の機会であったと言える。そこで秋季全国大会では、メインイベントとして、最近、設立された2つの近接学会―ゲーム学会とギャンブリング*ゲーミング学会―の初代会長にそれぞれ就任されたお二人の先生方に出演をご依頼し、学問の領域と領域の連携と拡大に関わりうるシンポジウムを企画した。また、本大会では「授業と教材研究部会」(主査:三橋秋彦氏)のお取り組みなどもあり、さまざまな領域の企画や発表が多く応募されたが、それらのセッションにおける情報交換や議論もまた、領域間の連携と拡大を促すものと言えよう。なお、小講演は、シミュレーション&ゲーミングの研究領域の拡大という観点から、近年、注目されている実験経済学と進化社会学の発表をとくに指名して、講演の依頼をさせていただいたものである。
 国と国との連携も、領域と領域との連携も、詰まるところ、人と人との連携に行き着く。学会大会はそれ自体が人と人とが連携している場であり、そしてそれは、その後の、さらに強い連携を生み出しうるものであろう。今回の秋季全国大会は1日だけであるが、それぞれの参加者がその機会を活用して、他の研究者や関係者などとの連携を十分に強めていただければ幸甚である。そうした連携の積み重ねが、シミュレーション&ゲーミング学の発展を促すと思うからである。

大会実行委員長  
お茶の水女子大学
坂元 章  
(本会副会長)