The effects of use of the Internet on international understanding(2)
−The examination of causal relationships−
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○木村 文香* |
鈴木 佳苗* |
坂元 章* |
坂元 昂* | |
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Fumika KIMURA, |
Kanae SUZUKI, |
Akira SAKAMOTO, |
Takashi SAKAMOTO | |
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*お茶の水女子大学大学院人間文化研究科 |
**メディア教育開発センター | |||
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Graduate School of Humanities and Sciences, Ochanomizu University |
National Institute of Multimedia Education | |||
<あらまし> インターネット使用が国際理解に及ぼす影響を調べるため、パネル調査を実施した。結果からは、一日及び一週間あたりの外国語でのインターネット使用量が多い男子は、国際理解が伸びることがわかった。また、全体では国際理解が高いと、一日および一週間あたりの日本語、外国語でのインターネット使用量が多くなること、女子では、国際理解が高いと、一日及び一週間あたりの日本語、外国語でのインターネット使用量が多くなっていくことがわかった。
<キーワード> 国際理解、インターネット、パネル調査、高校生、因果関係
一連発表の(1)で報告したパネルデータを用い、因果関係の検討を行った。本稿では、現在、各学校で行われている国際理解教育の内容を、網羅的に含んだ国際理解を測定できる項目を含む尺度(鈴木・坂元・足立・坂元・木村、1999)を用い、インターネット使用が国際理解に及ぼす効果を、2波のパネルデータを用いることにより、検討した。2時点で同じ質問紙を実施するパネルデータを用いれば、因果関係を検討することはある程度可能である。
分析の際には、重回帰モデル(図1)、双方向モデル(図2)、交差遅れモデル(図3)を用いて、構造方程式モデル分析を行った。各モデルの図において、太線で示されている矢印で示される効果が有意であるという結果が得られれば、インターネット使用が国際理解を高めている、ということができる。
調査時期、被調査者、及び調査項目に関しては、一連発表の(1)と同様であった。
分析は全て、前述の3つのモデルを用いた構造方程式モデル分析で行った。3つのモデル全てに関して、効果が有意であると示されたものについてのみ、検討していく。
インターネット使用が国際理解に及ぼす効果 日本語・外国語それぞれに関する、一日あたり、一週間あたりのインターネット使用量が国際理解(国際理解測定尺度の合計得点)に及ぼす影響について検討したところ、表1のような結果が得られた。
この結果からは、男子は一日および一週間あたりの外国語でのインターネット使用量が多いと、国際理解が高くなるということがわかった。
国際理解がインターネット使用に及ぼす効果 全被調査者を対象として分析を行ったところ、国際理解の高い人ほど、一日及び一週間あたりの日本語、外国語でのインターネット使用量が多くなっていくことが示された(表2)。また、国際理解が高い女子においては、一日及び一週間あたりの日本語、外国語でのインターネット使用量が増加することが示された(表2)。
本研究の結果を概観すると、男子の場合は、外国語でインターネットを多く使用することにより、国際理解が高まるということがわかる。しかし、女子においてはそのような効果は得られていない。
インターネットの平均使用量を見てみると(一連発表の(1)を参照)、女子の方が多くなっている。また、国際理解に関しても、女子の方が高くなっている(一連発表の(1)を参照)。一方、男子はインターネット使用量も少なく、国際理解も高くない(一連発表の(1)を参照)。しかし、少ないながらも、インターネットを外国語で使用し続けることによって、国際理解が顕著に伸びていっている。女子に関しては、もともと国際理解が高かったために、インターネットを使用することによっては伸びなかったのかもしれない。男女における、インターネット使用の国際理解への効果の違いに関しては、今後、検討していく必要がある。
また、全体的に、国際理解の高い人が、より多くインターネットを使用するようになっており、女子における、日本語、外国語でのインターネット使用に関してその傾向は著しい。つまり、女子の場合は、国際理解が高ければインターネットをより多く使うようになっていくということがいえよう。ここに見られる男女差の検討も、今後の課題である。
本稿においては、全体的なインターネット使用及び、全体的な国際理解に関しての検討を行ってきた。そこで、今後は、国際理解のどのような項目においてインターネット使用の効果が見られるのか、また、インターネットのどのような用途において、国際理解が高まるのかということに関して、より詳細な検討を加えていくことが必要である。
鈴木佳苗・坂元章・足立にれか・坂元桂・木村文香 1999 国際理解測定尺度の作成(1) 日本心理学会第63回大会発表予定
表1 インターネット使用が国際理解に及ぼす影響
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インターネット |
全体 |
男子 |
女 子 | |||||||||||||
|
使用量 |
使用語 |
重回帰 |
双方向 |
交差遅れ |
重回帰 |
双方向 |
交差遅れ |
重回帰 |
双方向 |
交差遅れ | ||||||
|
一日 |
日本語 |
− |
− |
− |
− |
.10* |
.09* |
-.10* |
− |
-.10* | ||||||
|
外国語 |
.05† |
− |
.05† |
.15** |
.15** |
.15** |
− |
− |
− | |||||||
|
一週間 |
日本語 |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
− | ||||||
|
外国語 |
.06† |
− |
.06† |
.14** |
.13* |
.14** |
− |
− |
− | |||||||
表2 国際理解がインターネット使用に及ぼす影響
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インターネット |
全 体 |
男 子 |
女 子 | |||||||||||||
|
使用量 |
使用語 |
重回帰 |
双方向 |
交差遅れ |
重回帰 |
双方向 |
交差遅れ |
重回帰 |
双方向 |
交差遅れ | ||||||
|
一日 |
日本語 |
.09** |
.14** |
.10** |
− |
− |
− |
.12† |
.23** |
.12† | ||||||
|
外国語 |
.20** |
.23** |
.20** |
.12* |
− |
.13* |
.20* |
.25* |
.20* | |||||||
|
一週間 |
日本語 |
.12** |
.16** |
.12** |
.07† |
.08† |
.07† |
.13* |
.20** |
.13* | ||||||
|
外国語 |
.20* |
.23** |
.20** |
.15** |
− |
.15** |
.23** |
.29** |
.23** | |||||||