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2005-06-10

 

2005 年7月(終了しました)


プロジェクトU  2005年度第1回  国際教育協力セミナー
「子どもの保健―ガーナでの経験を踏まえて―」

●講師      榊原 洋一 氏
              (お茶の水女子大学 子ども発達教育研究センター 
                    チャイルド ケア アンド エデュケーション講座 教授)
●日時     2005年7月4日 (月)  18:00 - 20:00
●場所      お茶の水女子大学 生活科学部本館 103会議室
●講師プロフィール

1976年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院小児科を経て2004年10月より現職。専攻は小児科学、小児神経学、発達神経学。小児神経学では特に注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群などの発達障害の臨床と脳画像研究に関心を持っている。JICA「ガーナ母子保健医療サービス向上計画プロジェクト」に携わり、10年以上アジア途上国への医師派遣事業を行っている。主な著書『はじめて出会う 育児の百科』共同監修、『集中できないこどもたち』(小学館)、『アスペルガー症候群と学習障害』『「多動性障害」児』『子どもの脳の発達臨界期・敏感期』(講談社α新書)、『教育現場における障害理解マニュアル』共著(朱鷺書房) など
●ポスター

 

 

 

 

●主催      お茶の水女子大学 開発途上国女子教育協力センター
   共催      お茶の水女子大学21世紀COEプログラム 「誕生から死までの人間発達科学」プロジェクト2
                お茶の水女子大学 子ども発達教育研究センター

 
 ※当セミナーは、文部科学省の委託事業「初等中等教育分野等の協力強化のための
       『拠点システム』構築事業」の一環として行われます。
 

プロジェクトT 第12回セミナー  脳科学と心の発達
 
「文化心理学研究の最前線
   −行動学的アプローチと神経科学的アプローチの協働は可能か?−」

●日時 2005年7月2日 (土)  午後1:00 - 5:20
●場所 お茶の水女子大学 生活科学部3階306室
●講演者及びテーマ
講演1 午後1:00‐2:30
 増田貴彦氏(北海道大学大学院文学研究科COEポストドクター研究員)
「文化心理学研究の新しい方向性:注意の日米比較研究から」
  講演者による要旨:
 欧米の研究機関を中心に発展してきている新しい研究領域―文化心理学―で過去10年間行われてきた東アジア諸国と欧米諸国との文化比較研究の知見によると、心理プロセスにはシステマティックな文化差があることが示されています。さらに近年、そのような文化差は、自己概念、推論過程、意思決定といった高次の認知プロセスのみならず、いままで基本的な心理プロセスとして人間に普遍的とされていた注意過程においてもみられることが様々な行動データから指摘されています。本講演では米国ミシガン大学を中心として現在進行中の、注意過程の文化比較研究のデータを具体的に紹介し、プロジェクトのさらなる発展に必須と思われる、発達心理学および神経科学との協力体制の確立の可能性について検討する予定です。

講演2 午後2:40‐4:10
 野村理朗氏(東海女子大学人間関係学部心理学科講師)
  「社会的認知の神経基盤 −行動・脳・遺伝子−」
  講演者による要旨:
 前頭領野は社会性を実現するために欠かせない、ヒトにおいて最も発達した大脳領野である。本講演では、意識的な知覚をともなわないごく短時間提示(閾下提示)された脅威表情が、続いて提示される表情の判断に及ぼす影響について、感情プライミング・パラダイムに基づき実施したfMRI 研究を報告する。同研究において、閾下提示された脅威表情が側頭領野深部に位置する右扁桃体を活性化し、その活動が前頭領野の右前頭前野腹外側部によって抑制されるという領域間の機能的ネットワークが確認されている。さらに興味深いことに、閾下の脅威刺激への扁桃体の感受性が、続いて提示される表情の判断に影響する、すなわち脳活動とその出力結果である行動との関連性が明らかとなった。ほか「心の理論」の神経基盤について、また時間に余裕があれば、ヒトの衝動的行動に関与する脳部位とその個人差を生み出すセロトニン神経系遺伝子多型性に関する研究を紹介する。

全体討論  午後4:20‐5:20  

●ポスター


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<プレセミナー>
●日時 2005年7月1日 (金)  午後2:00 - 5:30
●場所 お茶の水女子大学 文教育学部1号館201室
●講演者及びテーマ
 内田伸子氏(お茶の水女子大学副学長)
「発達科学の方法論―助数詞の獲得過程の日中比較研究をめぐって―」
 講演者による要旨:
 発達心理学領域では、言語や認知について遺伝か環境かの論争が繰り返されてきた。人間の知識や言語のどの範囲が生まれつき備わっているのか経 験を通して抽出されるのか。知識や言語のうちでどれが文化普遍なのか文化固 有なのか。生まれつき備わっている知識は人間発達のどの時期に顕現するのか。知識が発現した後は恒常的か可変的か。この問題を解くために、方法論的 経験主義の立場に立ち実施した助数詞獲得過程の日本と中国の文化比較研究の 例を取り上げ、実験場面のビデオを使いながら、実験研究のコツについて考えるとともに、翌日の教育セミナーに向けて、文化比較アプローチについて論考する。この話題を踏まえて、発達科学に携わる若い研究者たちの研究方法論をめぐっての活発な議論を期待したい。

●ポスター


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●主催:お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「誕生から死までの人間発達科学」              
 共催:玉川大学 21世紀COEプログラム「全人的人間科学プログラム」
●問い合せ先:pro1-coe@cc.ocha.ac.jp

●申し込み:事前申し込みは原則として不要ですが、プレセミナー(7/1)・セミナー(7/2)ともに、会場準備の都合上、特に学外からご参加の場合には、できるだけpro1-coe@cc.ocha.ac.jpまでお知らせ下 さい。