2005 年5月(終了しました)

 

第11回玉川大学・お茶の水女子大学COE合同セミナーのお知らせ
「脳科学と心の発達
――数概念に関する心理発達的研究と脳科学的研究――」

日時     2005年5月28日 (土)  午後1:00 - 5:00
場所      玉川大学 大学研究室棟 B101会議室

 ●講演1 午後1:00‐2:30
  「カウンティングのヒト脳における神経基盤 
     ―fMRIとTMSによるアプローチ―」
    神作憲司氏
(自然科学研究機構生理学研究所助手・
  産業技術総合研究所客員研究員)

 数は最も普遍的な概念の一つであり、カウンティングは最も単純な
 数的情報処理の一つと考えられる。しかしながら、カウンティング
 の神経基盤は未だ良く分かっていない。多くの動物が小さな数を比
 較的正確に扱えることが分かっているが、大きな数を正確にカウン
 ティングするのは、ヒトに特異的な能力と考えられる。機能的磁気
 共鳴画像(fMRI)を用いた最近の我々の研究では、小さな数(1-4)
 をカウンティングするときに比べて、大きな数(10-22)をカウン
 ティングするときに、ヒト運動前野(左腹側運動前野上部)が強く
 活動することが明らかとなった。さらにこの領域を、経頭蓋磁気刺
 激(TMS)を用いて刺激すると、大きな数が正確にカウンティング出
 来なくなることも見出された。本セミナーでは、これらの研究結果
 に基づき、ヒトがなぜ複雑な数的情報処理を行えるようになったの
 かを考察したい。

 ●講演2 午後2:40‐4:10
  「子どもの数概念の変化プロセスを探る」
     藤村宣之氏(名古屋大学大学院教育発達科学研究科助教授)

 子どもの数概念が発達的にどのように変化するかについて,ある年
 齢群と別の年齢群を比較して変化前と変化後の状態を対照させるだ
 けではなく,その間にある変化のプロセスを明らかにしようとする
 研究が盛んになってきている。たとえば,マイクロジェネティック
 アプローチを用いた研究では,子どもに足し算などの同種の課題に
 繰り返し取り組ませることにより,変化の時点,変化の契機などプ
 ロセスの詳細が明らかにされてきている。本発表では,小学生を対
 象に数概念,とりわけ比例や単位あたり量といった理解のより難し
 い概念の変化プロセスを検討した研究を紹介し,変化はどのように
 生じるのか,変化の契機や前提条件は何か,変化を促すにはどのよ
 うに環境を組織すればよいかについて考察する。

 ●全体討論  午後4:20‐5:00  

 
  主催 :玉川大学 21世紀COEプログラム
         「全人的人間科学プログラム」
  共催 :お茶の水女子大学 21世紀COEプログラム
         「誕生から死までの人間発達科学」          
    
★参加費無料。
★申し込み:原則として不要ですが、資料準備の都合上、事前に
  問い合わせ先メールアドレスまでお知らせ頂ければ幸いです。
★お問い合わせ先:玉川大学学術研究所研究促進室 
    t.instit@adm.tamagawa.ac.jp
会場への道順は玉川学園HP(http://www.tamagawa.jp/) の
  アクセスマップ・キャンパスマップをご覧ください。
★ポスター

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