2005年2月(終了しました)


お茶大COE(人間発達)プロジェクト1 
第10回セミナーのお知らせ 脳科学と心の発達
 自閉性障害に対する臨床支援
−小児神経学と実験心理学のコラボレーション−

●日時 2005年2月12日 (土) 午後1:00 - 5:20
●場所 お茶の水女子大学 人間文化研究科棟 6階大会議室
●講演1 午後1:00‐2:30
 瀬川昌也氏(瀬川小児神経学クリニック院長)
「ヒトの心の発達にロコモーションと大脳基底核は如何なる役割を持つか」
 講演者による要旨:
 自閉症の研究から、生後4ヵ月まで概日性睡眠覚醒リズムを形成することが、
環境順応能、情緒、大脳半球左右分化の発達に必須であることが示唆されている。
しかし、自閉症の情緒障害は、新生仔期に睡眠覚醒リズムを障害した齧歯類にも
みられ、ヒト固有の精神活動とはいえない。さらに、概日性睡眠覚醒リズムは
知能の発達に直接関与しない。これに対し、レット症候群とダウン症の這々害
及び自閉症における直立二足歩行の発達障害の研究から、乳児期後半の這々は
脚橋被蓋核、ドパミン神経系、大脳基底核を介し、また、直立二足歩行は、
小脳深部核を介し、それぞれ前頭葉機能を制御、知能の発達に関与することが
示唆された。またトゥレット症候群の研究から、前頭葉の機能を制御、巧徴運動と
ともに動機付け、共感性及び心の原理の発現に関与する大脳基底核・視床・皮質
サーキットは幼少児期に臨界齢とし、さらにこの機能の発現に直立二足歩行が
重要な役割を持つことが示唆された。これヒトのみが可能な這々と直立二足歩行が
脚橋被蓋核と大脳基底核・サーキットを介し、ヒトのみが持つ認知機能及び心を
発達させると考えられる。 
●講演2 午後2:40‐4:10
 山本淳一氏(慶應義塾大学文学部教授)
「自閉性障害への実験心理学的アプローチと臨床支援 ーコミュニケーション発達の条件は何か?ー」
 講演者による要旨:
自閉性障害は,広汎性発達障害であり,認知,言語,コミュニケーション,情緒に多
様な困難を持つ。従って,自閉性障害を総合的に理解し,発達支援方法を構築するた
めには,それらがどのような相互連関をもっているのか,環境との相互作用のなかで
どのように安定するのか,不安定になるのかを,系統的に明らかにする必要がある。
また,それぞれの心的機能の学習可能性,発達可能性を明らかにするためには,環境
側の条件を系統的に動かし,それに対応した心的機能の出現と変容を評価する実験心
理学的手法が有効な手段となる。今回は,私たちが行っている共同注意,模倣,言語
理解,言語表出,叙述的コミュニケーションの研究を紹介し,実験心理学的アプロー
チの意義を検討する。また,発達臨床においても,エビデンスにもとづいた臨床支援
の方法の構築が必要である。自閉性障害に対する海外の支援方法のスタンダードを紹
介し,日本の中での実現可能性について考察する。
●全体討論  午後4:20‐5:20  
 主催 : お茶の水女子大学 21世紀COEプログラム
     「誕生から死までの人間発達科学」              
 共催 : 玉川大学 21世紀COEプログラム「全人的人間科学プログラム」
問い合せ先:project1-coe@li.ocha.ac.jp
HP:http://www.hss.ocha.ac.jp/coehp/index_j.htm
●参加費無料。
●事前申し込みは原則として不要ですが、資料準備の都合上、
 事前に問い合わせ先メールアドレスまでお知らせ頂ければ幸いです。
●本学では入校時に身分証明書の提示をお願いしています。
 (情報提供:大神優子y_ohgami@nifty.com)

 

21世紀COE「誕生から死までの人間発達科学」プロジェクト4 ワークショップ
介護保険サービスの効果測定
――介護負担の軽減と在宅維持に着目して――
(介護サービスの政策評価の方法に関するワークショップ第1回)

 このワークショップは、介護保険制度のもとでの介護サービスの評価研究に取り組んでいる研究者・研究グループ間の研究交流を促進し、研究水準の向上をはかるために実施する連続ワークショップの第1回として開催するものです。今回は、家族介護者の負担軽減と在宅維持に対する効果に焦点をあて、このテーマについての研究実績を有する研究者に研究報告をお願いし、それをもとに、専門的な観点からの集中的な討議を行うこととします。介護サービスの評価に関心をもつ研究者・大学院生を初めとする多くの方々の参加をお待ちしています。

日時:2005年2月23日(水)11時〜15時30分

会場:お茶の水女子大学生活科学部本館1階学部会議室(103号室)
 
プログラム
 11:00〜12:00 セッション1
             報告 平岡公一(お茶の水女子大学)
 13:00〜13:50 セッション2
             報告 近藤克則(日本福祉大学)
 13:50〜14:40 セッション3
             報告 杉原陽子(東京都老人総合研究所)
 14:50〜15:30 総括討論

参加申し込み
 参加をご希望の方は、2月21日(月)までに、お名前・ご所属・メイルアドレスを明記の上、電子メイルで、お申し込みください。
 申し込み先・問い合わせ先(担当 平岡) khkaigo2005@hotmail.co.jp
 電子メイルを使用されない方は、FAX(03-5978-5246宛)でお申し込みください

お願い
本学では、入構時に、身分証明書の提示をお願いしております。また入構の際には、守衛に、このワークショップに参加する旨をお伝えください。